魅力的な人には夢と目標がある

よく「人間、目標をもつことが大事」といわれますが、日本人の95%は、自分の人生に明確な目標をもっていないそうです。
目標の立て方にもレベルがありますが、短期・中期・長期にわたって、具体的に自分がどうなっているかを、「個人」「家庭」「仕事」の方面から明確に描けていることが、最低限の「目標」といえるのではないでしょうか。
大事なことは、ちゃんと「夢に日付が入っている」ことです。「いつか成功したい」とか「将来、幸せになりたい」といった抽象的な願望は目標とはいいません。以前、テレビを見ていたら、俳優の宇梶 剛士さんが出演して、自らの体験談を語っていました。
彼は今でこそ渋い味のある個性派俳優として活躍していますが、若い頃は、日本で最大の暴走族グループの頭として、さんざん不良行為を行ってきました。そして、ある事件を起こしたことをきっかけに、ついに少年院に入ったのです。
その時、母親が一冊の本を差し入れしてくれたそうです。それは、チャップリンの自伝でした。彼は、その本を貪るように読みました。そして、「世界にはなんて壮絶な人生を生きている人がいるんだ。自分なんか、まだまだちっぽけだ」と衝撃を受けるのです。
そこで彼は、それまで刹那的だった自分の生き方を改め、「俳優になろう」という目標をもちました。
そこからの努力と苦労は並大抵のものではありませんでしたが、それでも「目標」をもつと、人間、強くなれます。目標をもつことで、目の前に起こる一つ一つの障害を超えていったのです。もう一人、私の友人に、Dさんという30歳の男性がいます。
彼は現在、某大手外資系保険会社に勤めいて、その企業で世界ナンバーワンの営業成績を収めています。
世界で何千人も営業マンがいる中でのトップですから、年収にしてなんと一億五千万円!(←生涯賃金ではありませんのでお間違いのないように・・・)彼も不幸な家庭環境に育ったせいで、中学・高校生時代は不良グループに入って悪い行為を繰り返したそうです。ところが、二十歳の頃、彼に変わらぬ愛情を注いでくれる祖父母の存在と、「坂本竜馬」の本との出会いを通して、人生観を180度変えるのです。二十歳の頃、「祖父母に“お前が生まれてきて良かった”と誇りに思ってもらえる人間になろう。坂本竜馬のように、高い志をもち日本を変えられるような人間になる」という目標をもったそうです。更に具体的に、「30歳で年収いくらとれる実力をもち、40歳で起業し・・・」というふうに目標を詳細に落とし込んでいきました。
先日、彼と会って将来の夢について話を聞いたのですが、とても大きな、それこそ日本改造計画の夢でした。
今でも十分お金持ちなのに、「自らの生活はできるだけ質素におさえ、日本の将来のために投資をする。今、2人の子供がいるけれど、子供に財産は残さず全部寄付して死ぬ」と言っていました。実は彼は保険営業ではトップセールスですが、保険商品の勧誘の話はぜんぜんしないのです。ただただ、自分の夢と志を語るだけ。そんな彼に、お客様のほうがどんどんお客様を紹介してくれるので、100%口コミの紹介で商談が成立するそうです。やはり、魅力ある人間性が重要ですね。
魅力ある人とは、夢(目標)のある人です。